【第3回ビヨンドSDGs官民会議フォーラム】分科会サマリー|分科会2「持続可能で公正な経済」

分科会2では、「経済成長を実現するにはどうすればよいか」ではなく、「経済は何のために存在するのか」という根本的な問いから議論を進めています。経済は人と人をつなぎ人の幸せに寄与するための存在である、という合意の下で以下を議論しました。
現在の市場経済は、多くの豊かさを生み出してきた一方で、環境負荷の増大や格差の拡大、将来世代への負担など、市場メカニズムだけでは解決が難しい課題も生み出しています。こうした現状を踏まえ、本分科会では市場経済を否定するのではなく、環境税=外部不経済の内部化など市場の仕組みを補正・進化・拡張することで、人・社会・自然がともに持続できる経済のあり方を検討しています。
市場だけでは実現できない価値をどう支えるか
持続可能で公正な経済を実現するためには、現在の市場メカニズムでは十分に把握できない価値にも目を向ける必要があります。教育、福祉、環境保全、人権、地域コミュニティ、ソーシャルキャピタルなどは、市場原理だけでは支えきれません。本分科会では、市場経済に加え、公経済(行政・公共サービス)や社会的連帯経済(地域・NPO等)が相互に補完し合う「ブレンド経済」の考え方について議論しています。また、政府部門の公共経済部門についての議論の必要性も指摘されました。さらに、環境負荷や人権侵害などの外部不経済を適切に経済システムへ組み込む仕組みについても検討しています。
人・社会・自然・テクノロジーが循環する経済へ
経済を持続可能なものとするためには、人間だけでなく、社会や自然との関係性を含めて捉え直すことが重要です。本分科会では、人・社会・自然が相互に支え合いながら循環する仕組みを構築する必要があるとの認識を共有しています。そのため、循環型経済(Circular Economy)や、経済の仕組みを活用しつつ生物多様性を回復させるネイチャーポジティブの考え方、資源利用・消費のあり方、持続可能な投資・消費行動などについて議論を進めています。
また、AIはもはや今後の社会や経済の前提となる存在です。本分科会では、AIを単なる効率化の技術ではなく、社会的共通資本として捉え、教育や公共サービスをはじめとする幅広い分野でどのように活用すべきかを議論しています。同時に、AIがもたらす環境負荷や雇用への影響も踏まえ、テクノロジー・社会・環境が調和する経済システムのあり方についても検討しています。
ビヨンドSDGsとして経済を考える意義
ビヨンドSDGsでは、経済のあり方をめぐる国内外のさまざまな議論を横断しながら、人・社会・自然・将来世代を統合的に捉え、限りある資源の中で、すべての人に公正な機会をもたらす持続可能な経済システムを構想することを目指しています。社会的包摂、公共性、循環性、レジリエンスなど、多様な価値を統合した新たな経済像を描くことが、本分科会の特徴です。
今後の議論
今後は、「持続可能で公正な経済」の共通ビジョンをさらに具体化するとともに、教育、金融、企業、政策、AI、循環経済などの具体的なテーマについても議論を深めていきます。また、国内外の関連イニシアチブとの接続も整理しながら、2030年以降のビヨンド SDGs時代に向けた実践的な提言として取りまとめていく予定です。