ビヨンドSDGs官民会議では、SDGsの先にある社会モデルを構築するため、国連の『持続可能な開発に関するグローバル・レポート(GSDR)』が提唱する6つのエントリーポイントに基づき、それぞれの分科会を設置。人間の福祉や経済システム、地球環境といった多角的な観点から、産官学民の多様な主体が対話を重ねます。単なる知識共有にとどまらず、既存の枠組みを超えた連携により、具体的なアクションプランの策定と社会実装を目指しています。
分科会概要
人間の健康、福祉、能力の開花
持続可能な開発に向けた変革の中核には、人間の福祉と能力向上があります。GSDRでは、健康や教育、所得、安全でクリーンな環境へのアクセスや災害等へのレジリエンスは、開発の「成果」であると同時に、変革を推進する「基盤」であると強調されています。一方で、依然として残る貧困や格差、特定の人々への多次元的な剥奪といった課題は、経済成長のみでは解決できません。本分科会では、基本サービスの普遍的提供や差別の撤廃、能力開発への投資を通じ、「誰一人取り残さない」社会を実現するための具体的な制度設計や支援のあり方について議論を深めます。
共同議長
| 三輪 敦子 | 一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク 共同代表理事 |
|---|---|
| 稲場 雅紀 | グローバルヘルス市民社会ネットワーク代表 |
持続可能で公平な経済
現在の生産・消費パターンは環境負荷が大きく、富の集中や格差拡大を招いており、GDPのみを指標とする政策運営は限界を迎えています。GSDRでは、経済を人間の能力を高める「手段」として捉え直し、金融システムを含めた資金の流れを目標に整合させる必要性が説かれています。本分科会では、外部不経済を価格に反映する仕組みや、資源使用量の抑制、持続可能な経路への投資促進など、経済活動を地球の限界内に収めつつ、すべての人に公正な機会をもたらす経済システムの転換について議論します。
共同議長
| 河口 眞理子 | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ ジャパン理事 / 立教大学特任教授 |
|---|---|
| 近藤 英里奈 | G7/G20Youth Japanメンバー |
持続可能な食品システムと健康的な栄養パターン
食料は生存の基盤ですが、現在のシステムは飢餓と肥満の併存や、深刻な環境破壊という構造的矛盾を抱えています。GSDRは、従来型の拡大型農業を脱し、栄養への公平なアクセスと環境負荷の最小化を同時に実現する転換を求めています。本分科会では、技術革新や生態学的農法の導入、経済的インセンティブの活用、そして消費者の価値観・行動変容を組み合わせた「持続可能な食」のあり方を検討します。将来の人口需要を満たしながら、自然環境と共生できる食料供給モデルの実装を目指して議論を進めていきます。
共同議長
| 比嘉 政浩 | 日本協同組合連携機構代表理事専務 |
|---|---|
| 河野 康子 | 一般財団法人日本消費者協会理事 |
エネルギーの脱炭素化とエネルギーへの普遍的アクセス
エネルギーへのアクセスは福祉と経済発展の基盤ですが、化石燃料依存は気候危機の主因となっており、GSDRでは、エネルギーシステム全体の再構築と、クリーンな調理・電力手段の普遍的提供の両立が不可欠とされています。再生可能エネルギーの拡大には、送配電のスマート化や輸送・熱利用の脱炭素化など多くの課題が残ります。本分科会では、化石燃料補助金の是正や、投資の転換、分散型エネルギーの活用などを通じ、脱炭素化を加速させながら、世界の誰もが安価でクリーンなエネルギーを享受できる社会への道筋について議論します。
共同議長
| 上野 貴弘 | 一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所 研究推進マネージャー 上席研究員 |
|---|---|
| 木村 麻子 | 令和6年度日本商工会議所青年部直前会長、株式会社PR代表取締役 |
持続可能な都市および都市周辺部の開発
2050年には世界人口の約7割が都市に居住すると予測され、都市は課題の集積地であると同時に、変革の拠点でもあります。GSDRでは、無計画な都市化が招く格差や災害リスクを抑え、包摂的でレジリエントな都市モデルへ転換する重要性が示されています。本分科会では、公共交通や歩行者中心のまちづくり、省エネ・再エネの実装、緑地との共生などをテーマに掲げます。データに基づいた政策立案や市民参加を通じ、周辺の農村部とも調和しながら、誰もが住みやすく、災害にも強い「持続可能な都市」の形成について議論していきます。
共同議長
| 上野 貴弘 | 一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所 研究推進マネージャー 上席研究員 |
|---|---|
| 木村 麻子 | 令和6年度日本商工会議所青年部直前会長、株式会社PR代表取締役 |
地球環境コモンズ
大気、海洋、生物多様性などの「地球環境コモンズ」は、人間の福祉と経済活動を支える共有基盤です。しかし現在は、気候変動や汚染などにより地球システム全体が限界に達しつつあります。GSDRは、グローバルな合意だけでなく、地域社会や民間部門の具体的な行動、そして資源利用を再生能力の範囲内に収める抜本的変革を求めています。本分科会では、外部性の評価と価格づけ、補助金や規制の見直し、教育を通じた意識変容など、あらゆるレベルでの保護と回復、持続可能な利用を推進するためのアクションについて議論していきます。
共同議長
| 勢一 智子 | 西南学院大学教授 |
|---|---|
| 山口 凜 | Japan Youth Platform for Sustainability (JYPS)事務局長 |