第3回ビヨンドSDGs官民会議 フォーラムReport 【オープニング】

Report
2026.08.31

2026年7月3日、2030年以降の国際目標に向けた提言を取りまとめる議論の中間報告の場として、「第3回ビヨンドSDGs官民会議フォーラム」が国際連合大学にて開催されました。開会挨拶では、内閣府 地方創生推進事務局 参事官の宇田川徹氏が、地方創生SDGsのこれまでの取り組みを振り返るとともに、国連ハイレベル専門家グループが示した「ビヨンドGDP」のプロトタイプを紹介しました。続いて、来賓として衆議院環境委員長の宮路拓馬氏が、ビヨンドSDGsにおいて日本が国際的なルール形成の中心を担う責任と可能性について述べました。

開会挨拶
宇田川 徹(内閣府 地方創生推進事務局 参事官/ビヨンドSDGs官民会議 理事)

内閣府地方創生推進事務局にて地方創生SDGs担当参事官をしております宇田川と申します。本日はお忙しい中、これほど多くの方々にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。まず、本会議の開催にあたりまして、慶應義塾大学の蟹江教授、事務局の皆様、そして外務省の皆様方をはじめ関係する皆様の多大なるご尽力に、心より感謝申し上げます。
内閣府では、2015年9月の国連における「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「持続可能な開発目標:SDGs」の採択を受け、2016年12月に策定されました「SDGs実施指針」に基づき、主に「SDGsを原動力とした地方創生」に向けてSDGs未来都市をはじめとする各種施策を通じて、SDGsの地方への普及・展開に取り組んできました。おかげさまをもちまして、昨年7月に日本政府が公表した自発的国家レビュー、いわゆるVNR報告書においても、地方創生SDGsの達成に取り組んでいると回答した自治体は、全国約1800の自治体のうち2017年度はわずか1%でしたが、多くの自治体の皆様にご協力をいただきまして2024年度には66.5%まで進展しました。
前回のフォーラムにおいて、外務省地球規模課題総括課髙橋慶太課長様よりお話がございましたように、日本のSDGs推進の特徴はマルチステークホルダーというところにあると思います。自治体の皆様と地域住民の皆様に、多様な形でSDGs活動に参画いただくことで、この取り組みがさらに進展していくものと感じています。
本年4月には「多様なステークホルダーの参画による地方創生SDGsの推進に向けた基本的な考え方」*1を策定し、内閣府ホームページで公表しました。この「基本的な考え方」は、今後エコシステム活動に携わるみなさまが課題に直面した際に活かしていただけるよう、視点、アイデア、工夫を分かりやすくまとめた冊子となっております。ぜひお目通しいただければと思います。
2027年9月から開始されるポストSDGsを含むビヨンド2030アジェンダの国家間交渉に向けて、本官民会議において6つのエントリーポイントに基づく分科会が設けられ、多くの有識者の皆様による議論が進められているものと承知しております。本年5月には、国連ハイレベル専門家グループから「ビヨンドGDP」のプロトタイプとして、①基礎的原則、②人々の生活実感を反映する現在のウェルビーイング、③公平性と包摂性、④将来世代のための持続可能性とレジリエンスの確保、という4つの視点が示されました。
私たちも、この「ビヨンドSDGs官民会議」での多様な議論を参照させていただきながら、自治体の皆様と連携し、地域全体のウェルビーイングの向上と持続可能性・レジリエンスの確保に、引き続き取り組んでまいります。

*1 「多様なステークホルダーの参画による地方創生SDGsの推進に向けた基本的な考え方」(内閣府)

来賓挨拶
宮路 拓馬(衆議院 環境委員長/自民党、衆議院議員)

2025年、外務副大臣として国連本部でVNRを発表した際、チームメンバーの一人だった蟹江憲史先生や、織田友理子さん・洋一さんご夫妻にもご協力をいただきました。数多くの国がVNRを発表するなか、日本の発表は最も多くの拍手を浴びました。政府代表者が原稿を読むだけの他国とは異なり、蟹江先生のお話、車椅子を利用する当事者として社会を変える仕組みを作られた織田さんのお話、そしてユース世代の関わりも得た、持続可能で広がりのある取り組みを世界に発信できたと感じています。
持続可能性は世代を超えてつながるものです。私の娘は昨日12歳の誕生日を迎えた小学生ですが、学校ではSDGsを学び、子ども新聞にも関連記事が頻繁に載ります。幼少期からこれほどSDGsが自然にある国は他にないと思います。我が国はこの普及において、世界に範を示してきたと言えます。
一方、アメリカのパリ協定離脱、世界各地の排他主義的な動きや紛争により、サステナブル・デベロップメントは危機にあるといわれ、2030年目標の達成は厳しいとも報じられています。
だからこそ、このビヨンドSDGs官民会議が重要です。日本の取り組みは官のみが主導したものではなく、鹿児島の離島や過疎・辺地の自治体を含む地方自治体、そして民間、教育などさまざまなレベルで行われてきました。メジャーパワーがこうした動きに背を向けているといわれるなか、我が国にはこれまで培ってきた取り組みの先を示す責任と権利があると考えています。
我が国はルールメイキングが下手だといわれてきましたが、このビヨンドSDGsでこそ、その中心に立つ機会を得られると確信しています。SDGsの先にどのような世界があり、どのように我が国がルールを形成していけるのか、まだ誰にも分かりません。だからこそ、多くの可能性があると思います。本日この場が、その可能性を具体化する一歩となることを期待しています。

 

写真:渡 徳博
取材:インプレス・サステナブルラボ「SDGs白書」編集部
グラフィックレコーディング:谷古 清佳(GREAT WORKS)

 

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